1a.経済発展追求の異物?!と日本古来の住居との相対関係
日本の住宅は古来より風土に適した木造の建築です。同じ木造の住宅なのに、昔と今とでは少々違いがあるのです。それは第1に、暖かさや快適さを求める為建物の「通気」を遮断したために「換気」が悪くなった事。第2に住宅の大量供給の為に新建材などの開発が進み化学物質が多く使用されるようになった事(更には安易な工法が多々開発された事も要因のひとつになっている)。昨今の住宅は高気密・高断熱が主流になっているため、室内に揮発する化学物質が多くなり室内換気(自然換気)が機能しなくなったと考えられます。この様なことが一因で「シックハウス症候群」が騒がれる要因になったと思われます。 |
1b.求める事はひとつ?!・・・・《快適生活と健康な家庭》
今では各建材メーカーも化学物質を極力押さえた製品やシックハウスの発生がしづらい製品を開発しています。更にハウスメーカーや工務店も室内換気を重視した建物を考え出してきました。それはそれで良いのですが、本来住宅という物は体によい食品と同じように、将来にわたって安全で健康を維持できるものでなければならないのです。 |
シックハウス症候群(化学物質過敏症)
シックハウス症候群とは建物の素材が主な原因で起こるめまい、吐き気、頭痛、平衡感覚の失調や呼吸器疾患など、様々な不調を体に与えるアレルギー症状です。主に新築の住宅やマンションで使われてきた建材や新しい家具から揮発する化学物質(ホルムアルデヒド・トルエンなど現在7種類が認定)が原因と言われています。症状がひどい場合は、一般生活をおくるのも困難になる場合があります。現在、完全な治療方法は確立されておらず、症状が現れないように自己防衛する方法しかありません。(環境を変えるため他に引っ越す人達もいるほどです)しかし、最近では、新築や法的増改築の場合「シックハウス対策」がほぼ義務化されて来ましたので、一応ひと安心と言うところでしょう(でも油断は禁物です) |
自己診断?!
シックハウス症候群とは、住宅を新築、増改築、購入した後に(戸建てやマンションに限らず)症状がでた場合は単純に疑ってみる必要があります。今までにそのような原因や自覚症状がなく入居後に限って起こったのならば要注意です。(ただし、自律神経失調症、花粉症、更年期障害、ストレスからの疾患などと間違えやすいので御注意)丸1日以上閉めきった住宅に入って、しばらくすると目がチカチカしたり、頭痛がしたり、窓を開けた部屋でも2〜3時間以上いると同じ様な症状や不快感を覚えたらシックハウス症候群にかかっている可能性があります。(この症状は非常に個人差があり、同じ家族でも感じる人と全く感じない人がいます) |
相対関係 |
気密化以前の住宅 |
高気密化の住宅 |
構造・工法 |
木造在来工法(軸組構造)+断熱充填工法 |
木造新在来工法(改良軸組工法)や木造枠組工法(2x4or2x6工法)、プレハブ工法など多々+断熱充填工法や外断熱工法など |
基礎・換気 |
RC布基礎(内側断熱処理+内部防湿処理)及び基礎換気孔による床下の自然換気 |
RC布基礎(外側断熱処理or外側断熱処理+全面土間コン処理)、床下の自然換気孔の設置は無い(基礎断熱のみの場合は設置) |
構造木材 |
天然木の乾燥材使用 |
構造用集成材(端材接着による合成木材)、集成基材による張り物材 |
内装仕上材 |
天然素材が中心(無垢フローリング、建材、左官による仕上など)また今日のようなクロス(布、ビニール)も主流になってきた |
天然素材ではない木質フロアやビニールクロスなど、(最近は4スターによるノンホルム材が主流)また、最近は天然素材に関心が集まり珪藻土などの使用もふえてきた |
換気・通気 |
各居室内のレジスターでの自然換気が中心 建物が持つ自然通気(すきま風)と普通サッシの換気(窓のすきま風も重要な換気) |
高気密のため建物の通気が、ほぼ完全に遮断され(ビニールを被って呼吸をしている状態)、窓を開ける換気の他には通気を望めない。 |
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